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2024年11月

2024年11月30日

織と向き合って

西陣織の見学へ。
大学の授業で毎学期、 学生たちと行っています。

帯を織る職人さんから
「1日に数センチしか織ることが出来ないこと、
1本の帯が仕上がるまで何カ月もかかること」など、
後継者不足や高齢化の現状もふまえ
作業を見た学生は、
卓越した技術が強く印象に残ったようです。

事前に教室で私が説明していますが…
百聞は一見に如かず、です。
京都の街は、
生きた教材がそこかしこにあり恵まれた環境ですね。

かくいう私も、 高校生のとき(京都市立銅駝美術工芸高校)
染織科の授業で、 川島織物さんへ見学に行きました。
緞帳や本つづれを織られていた光景は
今も眼に焼き付いています。

私自身も作品を織るときは デザインをもとに、
たて糸と横糸を染め、糸の長さを計る整経、
たて糸を上げ下げする綜絖と筬(おさ)に糸を通す。
横糸を杼(ひ)に準備する…など
かなりの時間と労力を要し やっと座って織り始めても
糸が切れたりすると心が折れそうになりながら「織」を学びました。

高校生でこの経験をしたことは
現在とても役立っています。
*写真は高校の実習室

「柾木良子の京都で着物らいふ」より 

♪今日の1曲♪
その当時、織と向き合うとき イヤフォンから流れるのは
♯WhitneyHouston  ♪Greatest Love Of All
「そよ風の贈りもの」原題:Whitney Houston
実習室を思い出す最高のアルバム!
2024年11月30日

秋の装い


街の景色が色付き始めると
春生まれの私ですが 深まる秋に心躍ります。
単衣の着物から 袷を身にまとったとき
身体にすこし重みを感じつつ、
秋の装いに変わっていくのが 嬉しいものです。

うっかり季節の柄を 着逃がさないように
四季の移ろいを感じながら
旬を大切にする着方は日本独特。

着物や帯に季節の模様が 描かれていなくても
帯揚げや帯締めといった小物で
季節感を取り入れるのも一つ。

インスタもファッション誌も 無かったその昔は、
自然界の色彩を着るものに 取り入れられることが
教養がありお洒落な人でした。

現代においても
景色に溶け込むように 楽しめると素敵ですね。

「柾木良子の京都で着物らいふ」より

秋草鴇色の付下げ 帯は花唐草文様の袋帯
*着物一式:私物 *着付け・コーディネート・ヘアメイク:全て本人